活動報告

図書館に指定管理を導入する条例に反対討論しました

6月議会最終日、26日に反対討論をしました
枚方市立図書館条例の一部改正について、日本共産党議員団を代表し討論を行います。
本条例は生涯学習市民センターとの複合館である図書館に指定管理者制度を導入するというものです。
この間、市民に対して「民間事業者に代わるだけでこれまでと変わりません」「サービス向上と効率性が向上する」と説明してきたものが、この間の審議の中で大きく異なることが明らかになりました。
その一つは、購入する図書を選択する選書についてです。現在は各図書館でどのような利用者が来館し、どのような図書が利用されるのかといったことを、日常的に把握して、図書館の担当職員が集まる選書会議で、各図書館の意見を反映して、購入する図書を決定しています。「指定管理者の職員が選書会議に出席するから、これまでと変わらない」と説明していました。しかし、今回、指定管理者は選書会議に出席しないということが明らかになり、これまでの説明とは大きく変わりました。牧野・サダ図書館の利用者や地域に応じた選書ができなくなり、大きな問題です。図書館司書の配置・体制も明らかにされず、これまでの図書館でできたことが大きく制約されます。これでは図書館が図書館でなくなってしまいます。こうした枚方市の指定管理者制度のやり方では、教育機関としての図書館の役割が果たせなくなります。
このことは、教育機関である市立公民館を平成19年に廃止し、今度は同じ教育機関である分館図書館を実質廃止するものであり、決して許されるものではありません。
かつて、昭和40年代半ば、若いお母さんがたの家庭文庫運動から枚方の図書館は大きく発展しました。今、枚方市では若い世代を多く受け入れようとしている中で、教育機関としての図書館機能をなくすのではなく、充実すべきです。
二つ目には、サービス向上、効率性の向上についても、具体的に示されたのは図書館の開館時間が延長され、生涯学習市民センターと合わすという、直営においてもできることだけでした。民間のノウハウをいかしたサービスの向上は何ら示されませんでした。
それどころか、館長と施設の総括責任者や図書館司書の配置などが全く説明されず、職員体制も示されず、今のサービス水準が維持できるかどうかもわからないままです。このような中での指定管理者制度導入はすべきでありません。
今回の条例改正で指定管理者制度を図書館に導入する目的の一つは、指定管理者制度を導入して、分館の図書館司書を中央図書館に引きあげて、学校図書館に「人材を派遣する」ためであるという説明がされてきました。社会教育の図書館からの司書の派遣はあくまでも支援であり、本来学校図書館の司書は学校教育部の中できちんと位置付けて、司書を配置すべきです。子どもたちは学校以外では地域の図書館を利用します。学校図書館、地域の市立図書館、両方を充実させてこそ、子どもたちに豊かな読書活動を提供することができます。学校図書館を充実させるために地域の図書館分館を斬りすてる指定管理者制度の導入は結果として子どもためにはなりません。この点からも指定管理者制度導入はすべきでありません。
次に、今回の指定管理者制度導入の目的は、地域の図書館の教育機関としての重要な役割を奪う事にあることが明らかになりました。
教育委員会が発表した「これからの枚方市立図書館の運営について」の中に、牧野・サダをはじめ、楠葉や津田、菅原など地域の図書館は「普段使い」図書館とする。その普段使いの図書館とは、重要な仕事である資料の収集やレファレンスなどは中央図書館に集約して、地域の図書館を貸本屋にしてしまうという事です。
また、これまで、枚方の図書館運営の基本は各館並列です。それぞれの図書館が図書館としての機能を有し、権限を持って資料の収集と提供をおこない、市民の知る権利と学ぶ権利を保障してきました。ところがこの基本的な教育機関としての図書館の重要な機能を中央図書館に集約して、中央図書館を司令塔として位置づけました。図書館に序列をつける指定管理者制度導入はすべきでありません。
そして、何より問題なのは、分館図書館の機能軽減、中央図書館と分館に上下関係を設けるという方針を行政がかってに決定したことです。このような方針は本来、社会教育委員会会議に対して正式に諮問し、審議されて決定されるべきであり、このような行政の一方的な図書館行政の大幅変更、市民から教育機関としての図書館の重要な機能を奪ってしまう指定管理者制度を導入する条例改正は到底認められないことを申し上げて、反対討論とします。

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