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枚方市の公文書偽造問題

私の市政報告ニュース「どすこい」を読んだ市民の方から「代表質問を終えての中に書いてある公文書偽造問題について知りたい」と電話がりましたので、これまでの経過と私の質問内容について報告します。
〇令和3年(2021 年)10 月29 日、枚方市総務部長名で「職員の懲戒処分について」以下の報告がありました。
減給6月(10 分の1)、被処分者は、昨年 11 月に一般財団法人から寄附金を受領したが、その団体ではなく、代表である個人を紺綬褒章の候補者として推薦することを検討する中で、あらためて原本とは異なる個人あての領収書の作成を指示したものです。
この行為は、「公文書の不適正な取扱い」にあたる非違行為であるとともに、コンプライアンスの徹底を強力に推進すべき地方公務員としての信用を著しく失墜させる行為であることから、地方公務員法第 29 条に規定する懲戒処分としました。
〇野口光男12月議会での質問
1.職員のコンプライアンスについて、伺います。
今回、法令遵守を指導監督する部長級職員が公文書を書き換える、公文書偽造という事件を起こしたことについて、私は大変驚くとともに衝撃を受けました。そして、なぜこのようなことを起こしたのか理解できませでした。事件発生の原因、理由について、伺います。
○藤原卓也総務部長 1.職員のコンプライアンスについて、お答えいたします。
本件の発生原因と理由につきましては、当時の担当部長が寄附を頂いた団体ではなく、代表者個人を紺綬褒章の候補者として推薦することを検討したことに端を発しているもので、個人の表彰へのこだわりと、そのことに対して所属職員の提案が通りにくい、日常的な職場の風通しの悪さなどが要因であったものと認識いたしております。
○野口光男
職員のコンプライアンスについてですが、この間、幹部職員によるコンプライアンス違反が続いている状況です。今回事件を起こした部長は、副市長付の部長に横滑りという状況になっています。部下のいない部長はどのようなことをするのか。先日、特命事項が、この質問通告された後に示されてきましたが、このような異動について、市民の理解が得られると、このように考えているのでしょうか、お伺いいたします。
そして、観光にぎわい部長は、その副市長が兼務するという措置を行っていますが、つまり部長が不在の事態が続いています。そもそもこの観光にぎわい部については、農業、商工、観光、文化振興、生涯学習と多岐にわたることから統合する機構改革に対して私は反対いたしました。総務、教育子育て、市民福祉を所管する副市長が兼務できるはずがありません。なぜ観光にぎわい部長を任命しないのか、伺います。
○長沢秀光副市長 今回の人事異動につきましては、市民の皆様に大変御不便をおかけしているものと認識しておりますが、組織運営上、必要と判断して実施したもので、異動後はこれまでの所管事務の引継ぎを行わせた後に、特命事項を命じられているところでございます。また、観光にぎわい部につきましては、多岐にわたる事務を所掌しておりますが、緊急対応を図る観点から、担当次長、各課長とも協力しながら、私自らが部のトップとして、その役割を担っているところでございます。
○野口光男議員 部長を置かないという説明にはなっていないと思いますけれども、今回のこの事案に対するこのような措置については、全く市民の理解が得られないと思います。と同時に、実はこの部長も誰かの指示に従ってこのような公文書を偽造したのではないかと市民に疑念を生じさせるような措置ではないでしょうか。任命権者の責任をどのように考えているのでしょうか。
市長は、不祥事を撲滅させるコンプライアンス遵守を徹底させることを本気で考えているのでしょうか。不祥事が起こるたびに同じような謝罪を繰り返していますが、市長としての決意をお伺いいたします。
○伏見 隆市長 職員の不祥事により、本市の信用が著しく失墜し、多くの皆様に多大な御迷惑をおかけしましたことを任命権者として重く受け止めています。今後、不祥事の再発防止に全力で取り組み、市政への信頼回復に努めていきます。
○野口光男議員 信頼回復に努めるということです。平成28年度にも同じように部長級職員による大阪府迷惑防止条例違反での懲戒処分として、停職6月するほか、任命権者の市長及び担当副市長が給料月額について1割の減給措置が行われました。今回、同じ非違行為にもかかわらず、市長自らの処分がなぜされていないのか、今回はなぜ自らの処分を実施していないのか、お尋ねいたします。
○伏見 隆市長 繰返しになりますが、本事案への処分については、不適正な文書が作成された背景を総合的に勘案する中で、管理監督責任も含め様々な要素を踏まえて最終的な判断をしたものですが、多くの皆様に多大な御迷惑をおかけしました一連の事態を深刻に受け止め、私の責任として不祥事の再発防止に全力で取り組み、市政への信頼回復に努めてまいります。
○野口光男議員 改めてお聞きしますけれども、今、市長の答弁でもです。この背景、起こった背景も含めて今回の措置を決定したと言っているにもかかわらず、自らの処分をしないというのは、自らに責任を感じていないととらえることもできるのはないでしょうか。私が今聞いたのは、今回なぜ自らを処分しなかったのかという質問ですけれども、自ら責任を取らないという答弁だったと理解してよろしいのでしょうか、お伺いします。
○伏見 隆市長 この処分ということについて、私はこういった判断しておりますけれども、私、政治家ですから、これは今説明した中で、選挙のときに市民の信託を受けるということでございますので、責任としては感じておりますが、今回の処分はないと判断したところでございます。
○野口光男議員 大変残念な答弁だったと思うわけですけれども、今の答弁は、市長自らが身を切るような、またそういう処分をしないという、また選挙で有権者に真意を問えばいいんだという答弁でしたけれども、しかし不祥事のたびに市長は謝罪しているわけですけれども、結局、法令違反や不祥事を繰り返しているわけです。権限を集中させているこの組織機構自身、これが問題があると、私は機構改革のときにも指摘しましたが、この機構も改める必要があるんではないでしょうか。また、上に逆らえない今の職員評価制度を含むこの人事制度、これ自身についても改める、止めるべきだと意見を申し上げておきますし、早急な改善を求めておきます。
―その後、以下の報告がありましたー
〇令和4年3月18日 副市長付 部長 59 歳 : 訓告(管理監督責任)及び降任(分限処分)の報告がありました。
(1)訓告(管理監督責任)
被処分者は、個人からの寄附収受に係る事案に携わり、耐震工事費用の負担について明確な市の意向を伝えず、また、本事案にかかる進行管理を怠り、その結果、寄附者との間で一旦成立した贈与契約を解約することに至ったものですが、この間において十分な管理監督を行っていなかったことから、管理監督責任として訓告としました。
(2)降任(分限処分)
①内容
地方公務員法第 28 条第1項第1号及び第3号の規定により降任②理由 被処分者は、個人からの寄附収受に係る事案を含む多くの業務で、独善的ともとれる部運営を進めるとともに、庁内における調整の不十分さにより、行政内部の事務執行に歪みを生じさせました。
また、令和3年 10 月 29 日付で懲戒処分を行った紺綬褒章の上申手続きにおける公文書の不適正な取扱いの事案でも、事務執行に大きな支障を生じさせました。
このような拙劣な事務執行によって、関係各位への不信感や市の信用失墜につながり、加えて、部下の人材活用や育成の点からも部長職としての適格性を欠いていると言わざるを得ず、今後、引き続き部長という職責を果たすことは困難であると判断し、公務能率を維持することを目的に、分限処分として降任としました。
―以下、現時点での私の意見ですー
今回の処分について非常に不可解な点が多くあります。市として調査をしてきた結果ということですが、その調査結果の報告がないこと。「多くの業務で独善的ともとれる部運営を進める」とあります。部長が自分の責任で部の運営をすることは当然のことです。このような曖昧な、抽象的な理由での処分は不適格だと考えます。「部長職としての適格性を欠いている」とあるが、部長の任命は市長です。市長の判断が間違っていたことになります。この責任は市長にこそあると考えます。このような点からも今後も引き続き調査していきたいと考えています。枚方民報996